2012年1月2日月曜日

名古屋の空が広い理由

正月は実家の名古屋にいたのだが、つまらんTVばっかりで鬱々としていたので、2日の朝に近所を散歩した。そしたらえらく空が広くて青く感じられた。

(こんなエリアに住んでいるわけちゃいますよ・・・)

なんでかなーと考える必要もなく、それは高い建物が少ないからだとすぐにわかる。そういえば、子供の頃も友達がマンションに住んでいたということはほとんどなく、みな一軒家に住んでいた(あるいは長屋。共同住宅といってもせいぜい団地か)。それが、30年経った今も街並みにほとんど変化がない。
(注:名古屋市南区の話です・・・)


そりゃね、もっと田舎に住んでいる人はどこまでも広い空があるのだろうけれども、僕が住んでいたあたりは無駄に空き地などがある田舎でもなく、生まれたときには地下鉄が近所に通っていたそこそこの都会なわけだ。
(近所には公園もなかったので、道路で遊ぶしかなかったなぁ。。。)

そんな都会ならもうちょっとマンションが増えていてもいいはず。でも、街を見ていると一軒家の建て直しは進んでいるようだが新しいマンションが増えている感覚があまりしない。

これってひょっとして、人口の流入が名古屋って少ないということなのかなー、人が動かないから新しいマンション建てないのかなー、と仮説を持った。んで、ちょっと調べてみた。
(もうこの時点でこの仮説が正しいかどうかより、人口流入の有無に興味が移っているよ♪)


まず、実際に高い建物が多いかどうか確認してみた。一戸建て・共同住宅別の住宅数について総務省のデータがあったので、県別でいくつかピックアップ。

一戸建て・共同住宅(4階建て以下/5階建て以上)別の住宅比率
 総務省統計局「住宅・土地統計調査」

東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡の数字を比較してみたのだが、愛知と京都で、特に5階建て以上の背の高い住宅が少ないことがわかる。
(ちなみに5階で区切ったのは、なんとなく歩いていて空を狭くしているのは5階建て以上の建物だと感じたから、という程度の理由です・・・)


東京の一軒家比率の低さや、大阪の高層マンションの比率の高さも際立つ。大阪はなんでやろ?

それから、人口流入が多いかどうかについて、上記と同じ県別で、毎年の人口に占める他県からの流入人口をグラフにしてみた。

県別人口に占める他県からの流入人口の比率の推移
 総務省統計局「日本の長期統計系列」

これはなかなか興味深いというか、想像通りというか、愛知県は他県からの流入がやたら少ない県であるということがわかった。
(ちなみに、75年からデータをとっているのは僕が生まれた年だから♪)

食事などの文化も他のエリアと断絶していることが多いなーと名古屋出身の僕は時々思うのだが、都市の割には他エリアから人があまり来ないことに起因しているのかもしれん。

鎖国をしていた江戸時代に日本独特の文化が発達したなんてよく言われるが、そういう要素が名古屋は他のエリアに比べてやや強いのかも?

(95年に大阪がピコッと増えているのは阪神大震災の影響だろうね・・・きっとこの年の兵庫県は激減に違いない・・・)


それから、流入だけではなく、ネットの流出入数を分子にして同様のデータもとってみた。プラスが人口流入超過(人口が増えている)、マイナスが人口流出超過(人口が減っている)ということね。
(なお、死亡や生誕は加味していないので、純粋な県別人口の推移とは若干誤差があります)

県別人口に占める人口流出入数の比率の推移
 総務省統計局「日本の長期統計系列」

うん、やっぱり愛知県は流入も少なければ流出も少ないようで、ゼロ近辺にやっぱり張り付いているわ(笑)。日本における中華思想の国がこうしてできあがる・・・(?)。

面白いのは、90年以前は、東京が流出超過、神奈川が流入超過になっていて、高度成長とともにいわゆるドーナツ化現象が進んだんだろうなーということが想像されること。東急田園都市線が流行り始めたのとか、この頃?
(ふぞろいの林檎たち、的な・・・)

その後、90年代後半から東京への回帰が進んでいる。神奈川も引き続き増えていることを考えると、首都圏への一極集中やね。

一方で、大阪・京都は阪神大震災の95年を除いて一貫してマイナス。人口が流出するタイミングって、大学入学や就職が多かったりするだろうから、関西は生産人口が減って厳しいやろうなぁ。。。


・・・ということで、2012年の始まりは、散歩のついでに思いついたことをさくっと調べた緩いエントリーから。

なんとなく、名古屋の空が広いのは、名古屋に人が来ないから新しく住む場所を作る必要が少ないことが原因かもしれず、さらに言えばその根本にある閉鎖的(?)な経済・文化が理由なのかなーというところまで仮説を作って、おしまい。

(仮説といっても「風邪が吹けば桶屋が・・・」的なレベルだけど(笑))

あまり深く考えてないので突っ込みどころ満載だろうけど、追加情報を貰えるとそれはそれでうれしいです。

その他の結論。
散歩は色々ものを考えられて楽しい。
人口統計ってデータ収集の歪みが少なくて色々な使い方ができるからおもしろい。

最後に、あけましておめでとうございます!
今年もよろしく!

(実家から割りと近い名古屋市緑区の有松の街並み。31日にふらっと行ってきた)

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